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徳ある経営 小田氏治から学ぶ徳ある経営

2026年3月17日

皆さんは

徳川宗春

という人物をご存知でしょうか?

質素倹約策の八代将軍・徳川吉宗と
よく対比される江戸時代中期の
尾張藩七代藩主です。

不況の時代、私たちは
「コスト削減」や「自粛」といった
縮小均衡的な施策に頼りがちです。

しかし、江戸時代に
まさにその“逆”を選択し
民を活かす経営を実践したのが
徳川宗春なのです。

今回は、この徳川宗春を取り上げて
お話ししてみたいと思います。

 

 

宗春が藩主に就いたのは

享保の改革

 

の最中でした。

時の将軍・徳川吉宗は
倹約と統制を重んじ
幕府財政の建て直しを図っていました。

 

一見、正論に見えるこの改革ですが
行き過ぎた締め付けは民の活力を奪い
不況と閉塞を招いていました。

 

そんな時代に宗春が打ち出したのは

 

「民を喜ばせ、世を明るくする」

 

ための大胆な逆張りの政策でした。

彼が実践した「徳の経営」は
単なる経済施策ではなく
民を信じ、民と共に栄えるという
思想に根ざしたものでした。

 

宗春の主な改革を3つ挙げ
その志を現代に照らして
考えてみたいと思います。

①倹約よりも経済活性

宗春は吉宗の倹約令に真っ向から反対し
「贅沢は悪ではない」
と公然と表明しました。

むしろ、贅沢や消費を促すことで
商業を活性化し
町人や農民の暮らしを
豊かにしようとしたのです。

 

彼は尾張藩内で町人文化を奨励し
芝居小屋や祭礼の復活を許可しました。

特に名古屋の経済・文化は
この時代に活性化し、後に

 

「商人の町・芸能の町」

 

としての土台が築かれます。

宗春は消費を悪とせず
人々の笑顔と経済を両立させる
「徳の循環」を信じていたのです。

 

 

② 健康と福祉の充実

宗春は藩政の基本方針として
「温知政要」を掲げました。
これは

「民の苦しみに心を寄せ
仁愛をもって治めること」

を説いたもので
民を生かすことが
政治の本質だとする思想です。

 

その実践として、名古屋城下で
貧しい人々に無償で薬を提供し
医師の育成にも力を入れ
医療を公的に支援する体制を整えたのです。

経済や統制の前にまず命を守る。
宗春の福祉政策は
民を「取る」対象ではなく
「守る」存在として捉えた
まさに“徳の経営”といえます。

 

 

③ 教育と心の豊かさ

宗春は、藩士や町人に対して
学問や礼儀の重要性を説きました。
彼の政治の根底には
朱子学に基づいた「徳治」
すなわち徳をもって治めるという
信念がありました。

 

政治とは

民を罰することでなく導くこと。

欲を抑えるのではなく心を耕すこと。

宗春の治政は
経済と道徳を両輪として捉え
民の心を育てながら
社会を豊かにしようとする

「精神の経営」

でもあったのです。

現代の日本でも、経済の閉塞感や
人々の生きづらさが叫ばれています。
そんな今こそ、宗春の「徳の経営」に
学ぶべきではないでしょうか。

 

数字や合理性だけに頼るのではなく
人の心に火を灯し
喜びと信頼の中から活力を生む。

それは一見、遠回りに見えても
長期的には最も持続可能で
誰もが幸せになる道なのです。

 

現代の経営者は宗春のように

「社員の笑顔こそが最大の経済資源だ」

と信じるリーダーシップを胸に
一歩を踏み出してください。