2021年の6月4日は
天台宗をお開きになった
伝教大師最澄様の
1,200年の大遠忌でした。
遠忌は亡くなってから
100年以上の方にされ
50年毎にされる回忌のひとつです。
学問的な奈良仏教から
衆生済度への転換をされた伝教大師最澄。
紛れもない偉人であり
日本仏教が忘れてはならない御方です。
伝教大師の最期を書いた書籍に
『伝述一心戒文』(光定)があります。
その中に遺言として書かれた言葉が
「我がために仏を作ることなかれ。
我がために経を写すことなかれ。
我が志を述べよ」
と遺したと伝えられます。
「自分のために供養として
仏像を作ってはいけません。
自分のために供養として
お経を写してはいけません
私の志を多くの人に伝えてくれることが
私にとっての供養です」
伝教大師の言葉を見るにつけ
多くの経営者たちが見習ってほしいと感じます。
経営者だから自分の組織をほしいままにして
自分で自分の像を作ったり
自分の名前のビルを作ったり
晩節において自らの立場を
誇示する人が多い。
大切なのは亡くなった後も
その人を慕い、そしてその人の志を
述べてくれる人がいる
ということなのではないでしょうか。
伝教大師の言葉は
経営者として大切なことを
気づかせてくれます。