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暑さ寒さも彼岸まで

2022年3月21日

3月21日を中心として

前3日、後3日の計1週間を

我が国では「お彼岸」と呼びます。

 

「暑さ寒さも彼岸まで」

「今日彼岸 菩提の種をまく日かな」

 

など、歌題にこと欠かない彼岸ですが

この行事が行われているのは日本だけです。

 

仏教の行事ではあるのですが

インドや中国にはなく

日本にのみある伝統的な行事です。

よくこの日はご先祖様を敬い

お墓まいりをするのが

習わしであると言われております。

しかし、仏教の経典のどこを探しても

3月、9月に墓参りをせよ

というようなことは書かれておりません。

 

そもそもお彼岸は

暗殺事件に連座されて

無実の罪を訴えながら憤死した

崇道天皇(早良親王)の怨念を

鎮めるために始められた仏教行事です。

先祖供養や墓参りなどとは

全く関係がありませんでした。

それがやがて先祖供養や

墓参りと同義になりました。

 

民俗学者「五來重」先生の説ですが

農耕民族である我が国では

太陽が一番長く出るこの日に

太陽を礼拝することで願いが叶う

と信じられてきました。

太陽が沈む西方、極楽浄土には

死者(ご先祖様)がおられ

先祖供養をすることで

願いが叶うと信じられてきました。

 

この「太陽信仰」と「先祖供養」が合わさって

「日(太陽)」に「願う」こと

つまり、「日願(ひがん)」というのが

「お彼岸」の起こりであると

言われております。

つまりこの日は先祖供養を実施し

自らの願望を祈念する行事なのです。

 

単純にお墓参りをするのではなく

是非、感謝と願いを

してみるのもよいかもしれません。